幕末 本と写真

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坂本龍馬と写真を交換したこと

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海援隊士だった関義臣が大正12年に発行した漢詩集『秋声窓詩抄』の中に坂本龍馬と写真を交換っこしたという回想があります。

「慶応三年丁卯春、余与阪本龍馬後藤象二郎同在長崎、互写真像交換。而二氏真影仍在於余手、恐其経久磨滅、複写代筆画、縦大尺余、装額掲壁上。憶当時志士横行、討幕論盛矣、而二氏特異所見焉。相謀使幕府返上大政、則例密会于円山光月楼、余亦加席末。茲対此真影、不勝今昔之感矣。因係以小詩」

意訳すると…。
慶応3年春、関義臣は長崎において坂本龍馬後藤象二郎とお互いの肖像写真を交換した。写真は時を経て磨滅してきたので、大判の絵に描いて壁に掛けた。当時は志士が横行して討幕論が盛んだったが、龍馬と後藤はそれらとは見識がちがっていた。大政奉還の実現を謀る長崎丸山の花月楼での密議の末席に関も同席した。壁に掲げた龍馬と後藤の肖像に相対すると当時を思いだして感慨深い…。

※実際どんな写真を交換したのかは不明です。 なので画像の写真は私の想像です。
ただ関家には龍馬の半身像の写真が遺されていたことが分かっています(『坂本龍馬関係写真集』)。