幕末 本と写真

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新選組に斃された男 宮永良蔵

宮永良蔵は、越中国砺波郡福光村出身の蘭医。
医師宮永東作の子として天保四年に生まれる。
嘉永三年医術を学ぶため京に上がる。叔父の僧侶玉瑛のもとに身を寄せ、名医角山に医学を学ぶとともに緒方洪庵、新宮涼亭らの大家と交わる。知恩院上立売下ルで医家を開業した。
幕末の時勢の中で勤王家となり徳大寺実則とのつながりを得て倒幕に奔走する。
慶応三年患家への往診の途上を新選組に捕らえられ、西本願寺新選組屯所に幽閉された。激しい拷問を受けたが一切口を割らなかったという。後日釈放され自宅に戻ったが、衰弱はなはだしく十二月二十二日亡くなった。享年三十五歳。