幕末 本と写真

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西川正義

西川太治郎編『西川正義』(近江新報社、明治35)
西川正義(耕蔵)の略伝並びに事蹟調査を輯録する。非売品。

西川正義は文政六年(1823)京都の書肆の家に生まれる。別に北村太助と称す。梅田雲浜に師事し、諸藩の志士と交わり尊王の大義を唱えた。元治元年(1864)6月池田屋事件に連累して、新選組に捕縛される。慶応元年(1865)六角獄舎に留置された後、斬殺された(病死とも)。享年四十三。

この本がなにより西川正義の伝記として充実したものになっているのは、附録として巻末の約80ページあまりを使った事蹟調査の報告部分があるからなのだ。池田屋事件の際に新選組を実見したという某藩士の証言などが採録されていたり、いろいろ興味深い話が詰まっている本である。