幕末 本と写真

蔵書紹介系 幕末維新探究ブログ

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

松平権十郎親懐の写真

文久3年、幕府は江戸市中の治安警察強化のために庄内藩はじめ13藩に市中巡邏を命じた。庄内藩では若き中老・松平権十郎親懐をその総指揮者とし付属の新徴組をもって治安護持に当たらせた。 松平権十郎の勇名は江戸市中に轟き、河原崎権十郎(九代目團十郎)と…

金玉チン右衛門こと大久保一蔵

『維新長崎』は長崎市教育會から昭和16年に出た本。維新期の長崎を平易な文体で描いている。平山蘆江が装幀しており雰囲気のあるルックになっている。 さて、その本の中に大久保利通に関する面白い話が出てくる。大久保は自らを男性の陰部に擬えた名前「金玉…

『元治甲子 禁門事變實歴談 附木戸氏之行動』

【元治甲子 禁門事變實歴談 附木戸氏之行動 洋一冊 馬屋原二郎演述 元治元年禁門事變の實況を、當時の戦闘に參加して、九死に一生を得たる後の貴族院議員馬屋原二郎(小倉衞門介)が、自己の見聞並に木戸孝允の手記書翰共他先輩諸士の談話實録等に據りて、演述…

原市之進『尚不愧齋存稿』

原市之進の遺稿集『尚不愧齋存稿』。 この本については高梨光司の解説(『維新史籍解題』)が簡潔にして明瞭なので引用させてもらおう。 【『尚不愧齋存稿』和四冊 線引泰編 水戸藩士にして、徳川慶喜の左右に侍し、その帷幄の概機に參せる原市之進(名忠敬、後…

『推轂集』

牧頼元は庄内藩士牧半右衛門の長男として弘化元年鶴岡に生まれた。到道館に学ぶ。明治8年に新潟師範学校に入学。卒業後は庄内の小学校訓導・校長に奉職。晩年は東京に出て日下部鳴鶴、芳賀剛太郎らと風交を結ぶ。書家として名があった。明治44年4月30日、68…

生駒親敬

出羽矢島藩主 生駒親敬の名刺判鶏卵写真。 この人の写真は単独で写ったものが馴染みがあるかもしれない。「最後の藩主」を特集したようなムック本でよく紹介されている。下膨れの顔がチャーミングな人。 こちらの写真は家臣二人を前に座らせて真ん中に立って…