幕末 本と写真

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桑名藩士 瀧 安良

瀧 安良 。桑名藩士。

嘉永六年桑名に生まれる。通称鐵次郎。父は太右衛門、母はつね。
六歳にして父を失い家を継ぐ。母によく仕えた真面目な少年だったという。

十六歳、戊辰の騒擾に際しては青木市左衛門隊に属し照源寺にて謹慎。

明治二年東京に出て謹慎中の前藩主松平定敬の小姓役となる。

三年十二月藩命により小山正武、水野勝毅、高松範重と共に鹿児島に遊学する。遊学中薩藩の諸名士に交わり、自藩改革の念と憂国の情を厚くする。

四年三月に桑名に帰り同志と共に建議するところあり。藩議の容るるところとなる。再び鹿児島に赴かんとして大阪まで行くも考えるところあって東京に出る。
本所の田口黙翁の塾に入る。

上京後は藩要路に藩政不振の條々を詳さに述べ改革の急要を熱心に説くも容れられなかった。それを慨嘆し、四年五月十日夜建白書を大参事酒井孫八郎に遺し浅草新福井町七曲の藩邸内に於いて自尽す。
年わずかに十九。

深川長専院に葬る。忠尽院義肝弘誉居士。墓表は立見尚文の書、碑文は小山正武の撰。
後に戦死同様の扱いを受け桑名招魂社に合祀される。