幕末 本と写真

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花房義質



黒瀬義門編『子爵花房義質君事略』(東京印刷、1913)

『子爵花房義質君事略』はゆまに書房で 2002年に日本外交史人物叢書の一冊として復刻出版されたが、やはり図版の綺麗さをとるなら原本を持っておきたい。
口絵写真から花房のイケメンぶりが伝わってきます。

といいつつ、ちゃっかりゆまに書房のサイトから同書の解説を抜き出させてもらいます。

「花房が古希を迎えた時、知友、後輩達がそれを祝賀し、編纂されたものである。日清修好条規締結交渉、樺太・千島交換条約締結交渉、あるいは朝鮮国王謁見の際の様子、壬午事変、済物浦条約締結など自らが関わった外交の舞台裏について語られる。他に日本赤十字社など、自身が関わった各種団体についての談話や花房の父の隠れた功績、子爵古希祝賀会の記事概要が綴られている。」

ちなみに、ゆまにの上記叢書のうち、私がこの一冊だと思うものは、第11巻の『寺島宗則自叙伝/榎本武揚子』の巻です。
戦前に人物研究雑誌『伝記』第3巻第4〜6号に掲載された寺島の自叙伝と併せて、一戸隆次郎『榎本武揚子』(嵩山房、1909)を復刻したものになります。
これは榎本武揚の最も早い伝記本で「榎本子は真個の英男子、再び得べからざる豪傑」と賛仰する著者の手に成るもので、豊富な榎本の逸話が掲載されています。
原本の『榎本武揚子』はさすがに入手が難しそうだったため、私はこの復刻本を古本屋で購って我慢しております。