2016-12-15 松平春嶽 古写真 今回も幸田露伴の「幕末の政治家」から。 松平春嶽です。思案顔、愁い顔で威厳がなく気魄も薄い…。 〈松平春嶽 門地は高き人なれど威やや乏しく、身の丈は普通、やせ形にて面の色青白く、殿様らしくも見ゆれど、俗にいふ思案顔または愁ひ顔ともいふべき歟、細おもての頬こけ、自然に口尖りて見ゆ。つき袖せずして袖の中段あたりに手を下げ居給ふとおぼしく、打見たるところ其為に勢無き異な形に見え、加之少々前かがみにスーッと歩まるるさま、おろかなる眼には威儀無く気魄薄げに見えたり〉