幕末 本と写真

蔵書紹介系 幕末維新探究ブログ

2016-01-01から1年間の記事一覧

大鳥圭介と大砲の写真

『実写奠都五十年史』(同刊行会、大正8)より 大鳥圭介・篠原太郎・安達敬三郎とが大砲と一緒に写っている写真がある。ウィキペディアの大鳥の項で見られる写真、というか『写された幕末 人物篇』(アソカ書房、昭和37)に載っている写真なのだが、もともとは…

『兄中原中也と祖先たち』

中原助之 中原中也の弟の中原思郎には『兄中原中也と祖先たち』(審美社、1970)という 著作があって、かの天才詩人の貴重な回想と生い立ちに関する資料を提供する一冊となっている。しかし、私のようなものにとっては、この本は 防長維新史に関連する本として…

飯田 節

飯田節 福知山藩の重臣。夙に藩政改革を志し、慶応二年目附役、用人役を経て中老となり、藩政に参与し、傍ら藩校惇明館総裁を兼ね、譜代藩中にありて、尊王の大義を唱え、諸藩の志士と往来し、慶応三年十月二十二日、京都圓山に於ける志士の会合に列し、帰途…

描かれた土方歳三6

「土方歳三肖像画賛幅」 えっ!マジか! と若者ことばを使いたくなるような驚きがあります。

描かれた土方歳三5

清水米洲『絵本明治太平記』(明治19年)より。 先に投稿した本と同じような題名ですが別物の本です。 この土方は深夜のコンビニの店先に座っている兄ちゃんのようですね。

描かれた土方歳三4

村井静馬著『明治太平記 五編 上』(延寿堂、明治8年)の挿絵。

描かれた土方歳三3

この土方歳三は樋口雄彦先生の『箱館戦争と榎本武揚』〈敗者の日本史17〉(吉川弘文館、2012)に載っているのでその本で見てこの微妙な感じに戸惑った方も多いかと思います。 岡田良策編輯『徳川義臣伝』(金松堂、明治16)という袖珍本より。

描かれた土方歳三2

子母澤寛『幕末巷談』(塩川書房、昭和5年) 2円50銭 装幀、挿絵 : 河野通勢 子母澤寛の幕末もの。小笠原壹岐守、侠客の佐原喜三郎や相模屋政五郎、三河屋幸三郎、新選組や彰義隊などを取り上げる。 稗田老人(池田七三郎)の「新選組聞書」は最初はこの本に収ま…

山内六三郎

色黒の山内六三郎。 内藤遂『遣魯伝習生始末』(東洋堂、昭和18年)より。 パリや箱館で撮られた山内六三郎の肖像写真を見ると白皙のモダンボーイという感じなのだが、この写真のはすごくワイルドな男に写っている。 当時の写真は黄色に感光し易いので、日本人…

榎本武揚の写真2

この榎本の肖像は若めなので、出獄後くらいだろうか。 台紙がかじられていてコンディションは悪い。

榎本武揚の写真

小沢健志『幕末 写真の時代』(筑摩書房)にもほぼ同じものが掲載されている。箱館戦争時に撮られた榎本の肖像の複写で明治10年代に写真舗で販売されたもの。

描かれた土方歳三

会津戦争の際、福良在陣中の白虎隊士が宿舎が隣だった土方に親しんだという話があります(『旧夢会津白虎隊』)。 また土方には福良で警備中の白虎隊士・ 安藤藤三郎の誰何を無視し、安藤に威嚇射撃されて、素直に詫びるというエピソードもあります(『会津戊辰…

幕府海軍一等士官 矢作平三郎

幕府海軍一等士官 矢作平三郎 「矢作平三郎(後、沖麿)は古河藩土井侯の世臣(禄百石)矢作小一郎の三男にして天保五年甲午歳生る、夙に勝海舟の門に入り幕府の海軍教習所に学び、累進遂に軍艦役一等士官となり、回天號に次将たり。明治二年三月廿五日宮古湾に…

創建時の松陰神社

松陰神社というのは明治23年に松陰の実家 杉家の邸内、松下村塾の西側に松陰の実兄の杉民治が土蔵造りの私祠として建てたものが始まりなのだそうだ。 その土蔵造りの創建時の松陰神社の写真を。 この土蔵造りの旧社殿は松下村塾の門人を祭る松門神社となって…

「贈従五位 赤松小三郎先生顕彰記念」

昭和17年は赤松小三郎の顕彰の重要な年のようだ。上田城二ノ丸に「贈従五位赤松小三郎君之碑」が建立されたのが画期となったのか、京都でも京都信濃会により小三郎遭難の地に石柱が建てられた。また墓所である黒谷金戒光明寺の善経院にも菩提寺であることを…

松平源太郎の写真

2014年にNHKの番組がきっかけで発見された慶応3年11月の龍馬直筆の書簡(草稿)。大政奉還の後、越前を訪ねた龍馬が帰京後に後藤象二郎への報告のため記したもので、そこには福井での三岡八郎と龍馬の会談に越前藩の立会人として同席した松平源太郎の姿も活…

龍馬暗殺メモ その2

「龍馬暗殺の件を会津藩士に問うた男」阿波徳島の人で日本人として初めてカラフトを一周した北地探検家•海防家の岡本監輔は、慶応3年京都に出て侍従清水谷公考の屋敷に寄食する。 京都では木屋町にいた坂本龍馬を訪問し、幕府のカラフト政策を批判し北地開拓…

知られざる安政五年の坂本龍馬

愛知県岡崎市にある三河武士のやかた家康館という郷土資料館が発行している図録『岡崎藩長尾家と西洋砲術』 に安政五年の龍馬の動向が分かる史料(岡崎藩の西洋砲術家長尾錬次郎興寧の日記「萬代記」)が翻刻されています。そこには江戸での神道無念流の剣術修…

子母澤寛『新選組始末記』『新選組遺聞』

子母澤寛『新選組始末記』(萬理閣書房、昭和3年)この本は荻窪のささま書店で1000円で買ったっけ。でも函がない…。パンツを穿いてないようで落ち着かない…。子母澤寛『新選組遺聞 』(万里閣書房、昭和4年)装丁はこんな感じだったんです。大津絵風?の鬼、ど…

『佐々木只三郎伝』

高橋一雄編『佐々木只三郎伝』(史傳研究所、昭和13年)ずいぶん昔に書架に差すことができた本だ。稀覯本といっていいだろうか。この本は国会図書館にも所蔵が無い。会津若松市立図書館に禁帯出で所蔵されていたり、あと霊山歴史館にもあるくらいのようだ。

嵯峨 寿安

嵯峨 寿安 〈さが じゅあん〉嵯峨寿安は、天保11年金沢市十三間町に生まれる。本名は一正。号は萩浦。父は金沢の眼科医。祖父は大村屋といい、加賀藩直轄領・東岩瀬で伝馬屋を営んでいて、なかなか裕福な家庭であった。金沢では藩校壮猶館で西洋医学を黒川良…

平尾道雄『新撰組史』『新撰組史録』

平尾道雄の新撰組研究の古典的名著のいろんな版を持っていたりする。左から 『新撰組史』(私家版、昭和3年) 『新撰組史録』(育英書院、昭和17年) 『新撰組史録 改装版』(岬書房、昭和48年) 『定本新撰組史録』(新人物往来社、昭和52年) 『定本新撰組…

函館の武蔵野楼

明治2年5月10日、翌日の新政府軍による箱館総攻撃をひかえ榎本軍の幹部の面々は武蔵野楼で全滅を覚悟した別れの宴を催しました。 その武蔵野楼の写真を。状態はいまいちなのが残念です。 武蔵野楼は「豊川町の入口の橋の袂に豪気な三層楼の家台骨を構へ、其…

会津の「旅館 清水屋」

明治15年、自由民権活動家の田母野秀顕、宇田成一らが反民権派の旧会津藩士ら(帝政党の面々)の襲撃をうけてボコボコにされてしまった「清水屋事件」の舞台。というよりも戊辰戦争の際、戦傷療養中の土方歳三が泊まり同宿の幕臣望月光蔵と口喧嘩になって望月…

『北洲新話』

箱館戦争の戦記として評価が高い『北洲新話』は元彰義隊士丸毛利恒が幽囚中に綴ったもの。 雑誌『旧幕府』に「函館戦史」として改題連載されて世に出たが、そこでは惜しくも貴重な挿絵は割愛されている。昭和15年に海軍有終会が非売品として発行した『北洲新…

会津鶴ヶ城の写真

鶴ヶ城天守の写真悲壮美を感じさせる会津鶴ヶ城の写真。撮影者は今のところ不明とされる。ただ、徳川林政史研究所の所蔵になる鶴ヶ城の写真がヒントになるだろうか。その写真はガラス湿板だかオリジナル原板ではなく、印画紙に焼き付けられた写真を複写した…

『名流談海』

明治32年に博文館から出版された大橋乙羽の『名流談海』は当時の名流の談話を「其の儘写して世に廣むる」という談話集。 勝海舟や伊藤博文、山県有朋、大隈重信、福地桜痴、栗本鋤雲などが談話を寄せている。袖珍本ながら興味深い一冊だ。 口絵に載せている…

『絵入通俗 西郷隆盛一代記』

村井弦斎『絵入通俗 西郷隆盛一代記』はもともと報知新聞の附録として読者に配布された別紙の連載記事を書籍化したもの。明治31年から33年にかけて報知社により全6巻が刊行された。村井弦斎と報知新聞の部下だった福良竹亭との共著ということになっている。…

江藤新平の写真

江藤新平の名刺版写真。

『正智遺稿』

『正智遺稿 岩橋教章遺稿集〔覆刻版〕』(明治美術学会、2008年)原本は1911年に台北で発行された私家本でかなりの稀覯書だ。当然古書価も高くてとても私のようなものには手が出ない。 なので明治美術学会が覆刻してくれた際は心から御礼を言いたかった。岩…